すっきりとした暗い背景に描いた、現代的な3Dの人間の脳の医学イラスト。良い習慣で前頭前野と海馬が明るく光り、習慣が根づくにつれて前頭前野の光が赤い大脳基底核へ移っていく前向きな変化を表しています。

脳を理解すれば、
一日が変わる

脳と心、そして習慣を変えることで、人生をよりよい方向へ。むずかしい脳科学の研究をやさしく解きほぐし、今日すぐに試せる行動にして届けます。

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羨ましいとなぜ痛む?シェイクスピア四大悲劇『オセロー』、脳は妬みを痛みとして感じた

羨ましいときに胸が痛むのは気のせいではありません。人と比べて後れをとったと感じるとき、脳では痛みに関わる前帯状皮質が働いていました(Science、2009)。同じ痛みも、自分を引き上げれば成長を生む「羨望」に、相手を引きずり下ろせば破滅を招く「妬み」になります。シェイクスピア四大悲劇『オセロー』のイアーゴーをたどりながら、その分かれ道と、羨望を自分の成長の力に変える3ステップをまとめました。

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すべての記事 61件

  1. 羨ましいとなぜ痛む?シェイクスピア四大悲劇『オセロー』、脳は妬みを痛みとして感じた

    羨ましいときに胸が痛むのは気のせいではありません。人と比べて後れをとったと感じるとき、脳では痛みに関わる前帯状皮質が働いていました(Science、2009)。同じ痛みも、自分を引き上げれば成長を生む「羨望」に、相手を引きずり下ろせば破滅を招く「妬み」になります。シェイクスピア四大悲劇『オセロー』のイアーゴーをたどりながら、その分かれ道と、羨望を自分の成長の力に変える3ステップをまとめました。

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  2. 利己的な遺伝子なのに、なぜ人を助ける?与えた人のほうが幸せだった

    人への接し方は、結局自分に返ってきます。リチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』の血縁選択としっぺ返し戦略、そしてScience・PNASの研究から、人のために使ったお金が自分を幸せにし、他人の痛みが脳で自分の痛みのように処理される理由をひもとき、今日からできる3ステップの実践法をまとめました。

    17分で読めます
  3. 昨日よりよい1日をひらく「時間帯別・脳の使い方」

    脳は1日じゅう同じ状態ではありません。起きた直後にはコルチゾールが上がって体を目覚めさせ、体温が上がる数時間後に集中がいちばんよくなり、昼食後と夕方には成績が下がり、夜の明るい光は眠りの合図を遅らせます。PNAS・Psychological Science・Sleepなどに載った研究8件をもとに、朝から寝る前まで、時間帯ごとに脳をどう使えばよいかをまとめました。

    11分で読めます
  4. 続けて歩くほうがいい?15分以上歩いた人は心血管リスクが3分の1だった

    認知症の病変があっても記憶を守る脳の酵素PLA2G2F(Nature Neuroscience、2026年)と、歩数の大半を一度に15分以上続けて歩いた人の死亡・心血管疾患のリスクが低かったという観察研究(Annals of Internal Medicine、2025年)をあわせて読みます。どこまでが確かめられた事実で、どこからがまだわからないことなのかを分けて整理し、根拠のあるウォーキングの3ステップをまとめました。

    15分で読めます
  5. BDNFを増やすいちばん確かな方法は?運動1年で海馬が2%大きくなった

    脳の肥料BDNFを増やす、人にできるあらゆる活動をPNAS・Nature・Cell・eLifeの研究で整理しました。運動、ダンス、学び、読書、瞑想、睡眠、日光、食べ物、食事の間隔まで、根拠の強さとどれくらい続けるべきか、そして実際に脳がどう変わったのかを図でお見せします。

    22分で読めます
  6. レジリエンスは育てられる?疲れた脳は1か月後に回復した

    レジリエンスは生まれつきの性格ではなく、訓練で育てる心の筋力です。キム・ジュファン教授の韓国の書籍『回復弾力性』の核となる考え方と、Nature・Cell・PNAS・Nature Neuroscienceの研究から、レジリエンスが脳でどのようにつくられ、達成と学習をどう変えるのかをひもとき、今日からできる3ステップの訓練法をまとめました。

    18分で読めます
  7. マグネシウムの種類、何が違う?酸化マグネシウムの吸収率は4%だった

    マグネシウムは、どんな分子と組み合わさっているかで吸収率と使いみちが変わります。ある研究で酸化マグネシウムの吸収率は約4%にとどまり、クエン酸マグネシウムは比べた中でいちばんよく吸収されました(Magnesium Research、2001年・2003年)。形ごとに体の中でたどる道と、アメリカ国立衛生研究所が定めたサプリメントの上限(1日350mg)が何を意味するのかをまとめました。

    22分で読めます
  8. 年をとっても記憶力が保たれる理由は?年齢とともにオンになる酵素があった

    年をとっても記憶がはっきりしている人の脳では、脂質を分解する酵素PLA2G2Fがより活発に働いていました。2026年10月にNature Neuroscienceに掲載された研究から、海馬の「非常用発電機」がどのように記憶を守るのかをひもとき、今日から海馬をいたわる3ステップの習慣をまとめました。

    10分で読めます
  9. 呼吸で不安は減る?1日5分のため息の練習が瞑想より気分を上げた

    呼吸は、脳の覚醒状態を変えられる数少ない「取っ手」です。Science・Nature・Journal of Neuroscience・Cell Reports Medicine の研究から、呼吸が不安と集中を調整するしくみをひもとき、今日から始められる3ステップの呼吸習慣をまとめました。

    11分で読めます
  10. 脳の老化を遅らせる趣味は?ピアノは効いたが語学の授業は違った

    新しくて少し難しい趣味は、年をとってからも一部の認知機能を高めることがあります。6か月ピアノを習った高齢者は、注意の切り替えと処理速度のテストがよくなりました(Aging & Mental Health、2007年)。しかし11週間語学の授業を受けた高齢者は、記憶力が変わりませんでした(Psychology and Aging、2020年)。認知症のリスクを下げるには、趣味ひとつより、人との交流、聴力、運動といった生活全体が大切でした(Lancet、2024年)。

    10分で読めます
  11. 自然の中の散歩は本当に脳にいい?20分でストレスホルモンが減った

    自然の中の散歩は、注意力と気分を実際に回復させることがあります。都市に住む36人が8週間自然の中で過ごすと、20〜30分とどまったときにストレスホルモンのコルチゾールがもっとも効率よく下がりました(Frontiers in Psychology、2019年)。約50分公園を歩いた人は、繁華街を歩いた人より注意力テストの点数が上がりました(Psychological Science、2008年)。ただし「15分で脳が再起動する」「鉢植えが空気をきれいにする」は根拠が弱かったため訂正しました。

    12分で読めます
  12. 筋トレは脳にも良い?筋力が上がるほど認知の点数も上がった

    筋トレは脳にも役立っていました。軽度認知障害のある高齢者が6か月間筋トレをすると認知の点数が上がり、筋力が大きく上がった人ほど点数も上がりました(Journal of the American Geriatrics Society, 2017)。50歳以上を対象にしたメタ分析では、筋トレと有酸素運動のどちらも認知機能を高めました(British Journal of Sports Medicine, 2018)。ランニングにウエイトを加えた経験と一緒にまとめました。

    10分で読めます
  13. 燃え尽き症候群は意志で乗り越えられる?決意より環境を変えたほうが効果が大きかった

    燃え尽き症候群は意志だけで乗り越えるのは難しいものです。医師1,550人が参加した研究をまとめた分析では、個人が気持ちを立て直す方法よりも、働く環境やスケジュールを変えた方法のほうが燃え尽きを2倍以上減らしました(JAMA Internal Medicine、2017年)。2026年にノーベル賞を受けた光遺伝学が示した「脳回路のスイッチ」の話とともに、決意ではなく条件を変えて燃え尽きから抜け出した経験をまとめました。

    13分で読めます
  14. ゲームで脳はよくなる?プロゲーマーはミスが半分だった

    ゲームは一部の注意力を高めることはありますが、長くやれば脳がよくなるわけではありません。LCKのプロゲーマー23人は、反応してはいけない場面でのミスが一般の人の半分以下で、注意をとらえる島皮質と前帯状皮質のつながりがより強いものでした(Scientific Reports、2026年)。ただし一時点だけを比べた研究なので、ゲームのせいかどうかはわかりません。ゲームの訓練実験や練習の構造についての研究とあわせてまとめました。

    12分で読めます
  15. 筋トレで筋肉に集中すると大きくなる?腕の筋肉は2倍近く育った

    筋肉に集中しながら鍛えると、その筋肉がより大きくなることがありました。8週間「筋肉をしぼるように」に集中した人は、「重りを持ち上げる」に集中した人より腕の筋肉が2倍近く育ちました(European Journal of Sport Science, 2018)。ただし高く跳ぶ、重い重量を挙げるなど記録を出すときは、体の外に集中するほうがうまくいきました。体を使う学習の研究と一緒に、ジムでけがをした経験をまとめました。

    11分で読めます
  16. 日光を浴びると集中力は上がる?昼に光をたくさん浴びた人ほど頭がさえていた

    昼に明るい光をたくさん浴びた人ほど、頭がさえて反応も速くなっていました。大人58人の日常の光の量を1週間測った研究で、昼は明るく夜は暗い生活をしている人ほど認知の課題がよくできました(Communications Psychology, 2023)。窓ぎわで働く会社員は昼の光をずっと多く浴び、夜の睡眠も長くなっていました(Journal of Clinical Sleep Medicine, 2014)。朝のランニングに変えた経験と一緒にまとめました。

    8分で読めます
  17. ホルミシス、毒は薬になる?認知症マウスでは低濃度の毒性物質が脳の掃除を助けた

    ホルミシスは、少量の刺激がかえって体の防御力を高める現象で、認知症マウスの実験でその例が出てきました。KISTの研究チームは、神経毒として知られるキノリン酸が、低い濃度では脳の免疫細胞の掃除能力を高めたと発表しました。ただしマウスの実験で、人では抗酸化剤が運動の効果をかえって妨げたという研究(PNAS, 2009)のように、ホルミシスが思ったより繊細だという結果もあります。

    9分で読めます
  18. 脳の炎症で疲れる?炎症反応だけで意欲が下がった

    体の炎症は、気分や意欲を実際に下げることがあります。健康な人に炎症反応を起こす物質をごく少量注射すると、憂うつな気分が増え、報酬を期待するときの脳の反応が小さくなりました(Biological Psychiatry、2010年)。発酵食品を10週間増やした人は、炎症の指標19種類が下がりました(Cell、2021年)。ただし「脳細胞の90%がグリア細胞」「腸もれが脳の炎症の根本原因」といった主張は誇張だったため訂正しました。

    12分で読めます
  19. 腸の健康は脳を守る?腸で鍛えられたIgA細胞が脳の膜を守っていた

    腸と脳は免疫でもつながっていました。腸で腸内細菌に出会って鍛えられたIgA抗体の細胞が、脳を包む膜の太い静脈のそばに住みつき、微生物の侵入を防いでいました(Nature, 2020)。人では、発酵食品を10週間増やして食べると腸内細菌が多様になり、炎症の指標が下がりました(Cell, 2021)。ただし「腸もれがブレインフォグを生む」のように、人で確かめられていない主張は正しました。

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  20. 不安な考えを止める方法、抑えると大きくなる?白クマをがまんすると、もっと浮かんだ

    不安な考えは、抑えるほどよく浮かんできました。「白クマのことを考えないで」と言われた人は、がまんをやめたあと白クマをより多く思い浮かべました(Journal of Personality and Social Psychology, 1987)。かわりに、つらい言葉を30秒間すばやく声に出してくり返すと、その考えをあまり信じなくなり、不快感も減りました(Behaviour Research and Therapy, 2004)。アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の認知的脱フュージョンを研究で確かめ、この記事の初版の確かめられない出典を正しました。

    10分で読めます
  21. ひとりごとに自分の名前を入れると変わる?1秒で感情の反応が小さくなった

    ひとりごとで「私」のかわりに自分の名前を使うと、感情に振り回されにくくなりました。不快な写真を見ながら自分の名前でひとりごとを言うと、1秒以内に脳の感情の反応が小さくなり、がまんするのに使う前頭葉はそれ以上働きませんでした(Scientific Reports, 2017)。声に出して読んだ言葉は、心の中で読んだ言葉よりよく覚えていました(JEP: Learning, Memory, and Cognition, 2010)。この記事の初版の誤った出典と大げさな説明を正しました。

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  22. 昼食のあと眠くなる理由は炭水化物?昼を抜いても午後は眠くなった

    昼食後の眠気には、食べ物だけでなく体の一日のリズムも関わっていました。昼食を食べなくても、午後2〜4時には眠気と集中力の低下が表れました(Clinics in Sports Medicine, 2005)。甘いものは1時間以内にかえって疲れを増やし、10分の昼寝は午後の眠気をすぐに減らしました(Sleep, 2006)。カーニボアで午後がすっきりした経験は生かしつつ、大げさな主張や有名人の例は正しました。

    9分で読めます
  23. 運動習慣は遅く始めても脳を変える?60〜70代も6か月で脳の体積が増えた

    運動習慣は遅く始めても脳を変えました。運動していなかった60〜70代が6か月間有酸素運動をすると、脳の灰白質と白質の体積が増え(Journal of Gerontology, 2006)、60歳前後の人も3か月のジャグリング練習で灰白質が増えました(Journal of Neuroscience, 2008)。症状のない小さな脳梗塞は、高齢者のかなりの割合でMRIによって見つかりました。20代から走ってきた経験と一緒にまとめました。

    11分で読めます
  24. 連休太りは本当に戻る?連休に増えた体重の半分は5か月後も残っていた

    連休に増えた体重は、自然にすべて戻るわけではありませんでした。3か国の人の体重記録を見ると、連休に増えた体重の半分ほどが5か月後も残っていました(NEJM, 2016)。連休直後の数日で減る重さの多くは、グリコーゲンと一緒に蓄えられた水です。秋夕のあとにカーニボアで体を整えた経験は生かしつつ、マグネシウムを下痢になるまで飲む方法のような危険な部分は正しました。

    11分で読めます
  25. リンパマッサージは脳の老廃物も流す?マウスの首をなでると排出が増えた

    顔と首をやさしくなでる刺激で脳脊髄液の排出が増えたという結果は、まだマウスの実験で得られたものです(Nature, 2025)。脳脊髄液は鼻の奥と首のリンパ管を通って流れ出し(Nature, 2024)、この道は年をとるほど弱まりました。人に効果があるかはまだ試されていませんが、睡眠は人でも動物でも脳脊髄液の流れと深く関わっていました。毎日続けてきたリンパマッサージの経験と研究を一緒にまとめました。

    10分で読めます
  26. 時間を記録すると習慣は変わる?スマホは思っている倍使っていた

    一日を記録すると、流れていた時間が数字で見えるようになり、そこから習慣を変えやすくなりました。人はスマートフォンを1日約5時間、85回使っていましたが、自分ではその半分ほどに見積もっていました(PLoS ONE, 2015)。記録を続けた人ほど、減量などの目標をよく達成しました。量子力学の観察者効果にたとえたこの記事の初版の比喩は正し、時間の記録で一日を変えた経験を研究と一緒にまとめました。

    12分で読めます
  27. 起きてすぐ頭がぼんやりする理由は?目覚めた直後の脳は徹夜明けより鈍かった

    起きてすぐ頭がぼんやりするのは睡眠慣性のためで、たいてい30分前後でおさまります。目覚めて1〜3分後の計算能力は、一晩徹夜したあとよりも低くなりました(JAMA, 2006)。目覚めたあと、脳はおでこ側がいちばん遅く目覚め(Brain, 2002)、コルチゾールは目覚めて30分のあいだに自然に上がりました。最初の30分を大事な決定ではなく、決めておいた軽いルーティンで満たす方法をまとめました。

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  28. 1分の高強度運動は1日何回でいい?1日3回1分で死亡リスクが約40%低かった

    ふだん運動しない人でも、1日3回、1〜2分ずつ息が上がるくらい動くと、死亡リスクが約40%低くなっていました(観察研究、Nature Medicine, 2022)。12週間、全力の1分を含む10分の運動をした人は、50分運動した人と同じくらい体力が上がりました(PLoS ONE, 2016)。ただし海馬が大きくなった根拠は、高強度ではなく1年間のウォーキングの研究から出ています。1日3回に分けて走った経験と研究をまとめました。

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  29. 夜食が欲しいとき運動すれば消える?15分歩くと甘いものへの欲求が減った

    夜食や甘いものが欲しくなったとき、15分速く歩くだけでも欲求が減りました。太りぎみの人が15分歩くと甘いおやつへの欲求が下がり(PLoS ONE, 2015)、チョコレート好きの人は歩いたあとチョコレートを半分ほどしか食べませんでした(Appetite, 2012)。ただし、ショート動画や夜食がドーパミン受容体を減らすという根拠はありませんでした。夜食のかわりにランニングを始めた経験と研究を一緒にまとめました。

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  30. 疲れているときに運動したらもっと疲れる?軽い運動で疲れが減った

    軽い運動はむしろ疲れを減らしました。6週間軽く運動した人は疲労感が減り(2008年)、1時間ごとに5分歩くと一日の活力が高まりました(2016年)。そのしくみと、休み時間15分から始める会社員の3ステップを紹介します。

    12分で読めます
  31. 不安なとき運動すると楽になる?息切れに慣れると不安が減った

    運動は不安を減らすのに効果がありました。1,000件を超える試験をまとめた分析で、運動は不安の症状を中程度に下げ(British Journal of Sports Medicine, 2023)、2週間に20分ずつ6回走った人は、動悸や息切れをあまり怖がらなくなりました(Depression and Anxiety, 2008)。神経科学者ジェニファー・ハイズの本が紹介した実践法を元の論文で確かめ、状況別の運動法をまとめました。

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  32. 脳の疲れのせいで投げ出すの?6時間集中したあとは目の前の報酬を選んだ

    6時間以上むずかしい頭脳作業をした人は、おでこ側の脳にグルタミン酸がたまり、待てばもっと大きな報酬より目の前の報酬を選びました(Current Biology, 2022)。毎晩ダイエットや先延ばしにしたことを投げ出してしまうのにも、こうした脳の疲れが関わっているかもしれません。ただし脳が使うエネルギーは集中してもほとんど増えないため、「燃料切れだから」という説明は当てはまりませんでした。むずかしい決定を朝に移し、夜の選択肢を前もって決めておく方法をまとめました。

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  33. 部屋を片づけると集中力は上がる?散らかった部屋で独創的なアイデアが増えた

    整った空間は集中を、少し散らかった空間は新しいアイデアを助けました。片づいた部屋にいた人はリンゴを選び寄付を多くし、散らかった部屋にいた人はより独創的なアイデアを出しました(Psychological Science, 2013)。スマートフォンは机の上にあるだけでワーキングメモリを減らしました。ラミアンギャラリー「A Part of Home」の展示と講演をきっかけに、空間が脳の集中に与える影響を研究で整理しました。

    11分で読めます
  34. 没頭する方法、問題をかかえたまま休んで眠ると答えが出た?

    没頭は、ひとつの問題を長くかかえることに加えて、その問題をかかえたまま休み、眠る時間があってこそ力を発揮しました。117の研究のメタ分析で、問題からしばらく離れる「あたため(インキュベーション)」の時間が解決を助け(Psychological Bulletin、2009)、ひと晩眠ると隠れた規則に気づいた人が2倍以上に増えました(Nature、2004)。ファン・ノンムン教授が紹介した没頭の経験を研究から見直し、1日の没頭ルーティンをやってみます。

    9分で読めます
  35. 三日坊主の理由、「20年後」を「7,300日後」にすると変わる?

    ダイエットや貯金が三日坊主で終わるのには、意志力よりも「未来の自分が今の自分とどれだけ近く感じられるか」と「つらい瞬間をどう解釈するか」が大きくかかわっていました。同じ未来でも「20年後」ではなく「7,300日後」と聞いた人のほうが、早く貯金を始めようとしました(Psychological Science、2015)。オイザーマンのアイデンティティにもとづく動機づけ理論を元の研究で確かめ、目標までの日数を数えるツールをお届けします。

    10分で読めます
  36. 毎日5分の勉強の効果、まとめてやるより少なく感じても多く残った?

    同じ時間勉強しても、一度にまとめてやるより何日かに分けたほうが長く覚えていられます(317の実験のメタ分析、2006)。ところが人は、まとめてやるほうがよく学べると感じていました(Psychological Science、2008)。ジャグリングを3か月練習すると脳の灰白質が増え、やめるとまた減ったという研究(Nature、2004)とあわせて、毎日5分の習慣が効く理由と、復習の日程を組むツールをまとめました。

    10分で読めます
  37. 口ぐせの直し方、習慣の反応の引き金は「状況」だった?

    口ぐせや習慣になった感情の反応は、同じ状況でくり返されるうちに固まり、その状況が引き金になります。映画館でいつもポップコーンを食べていた人は、しけったポップコーンも新しいものと同じくらい食べましたが、会議室ではそうではありませんでした(PSPB、2011)。習慣は消えるのではなく新しい反応でおおわれるため、状況に気づき、同時にできない行動に置きかえてくり返すハビット・リバーサル・トレーニングが効果的でした。

    11分で読めます
  38. アファメーションの効果、自己肯定感が低いとかえって気分が悪化した?

    自己肯定感の低い人が「わたしは愛される価値のある人間だ」とくり返すと、かえって気分が悪くなりました(Psychological Science、2009)。信じにくいアファメーションは反発を招くことがあり、かわりに自分の名前を呼ぶひとりごと、大切な価値を書く文章、小さな行動を組み合わせる方法が研究で裏づけられました。網様体賦活系の話まで正し、自分のアファメーションを変えてみるツールをお届けします。

    11分で読めます
  39. 後悔する行動をくり返す理由、感情に名前をつけると変わる?

    後悔する行動をくり返すのは、目の前のごほうびを別に計算する脳の回路が先に動き、空腹や怒りの状態ではその差が大きくなるからです(Science、2004)。今の感情をひとことで言うだけで扁桃体の反応が減り(Psychological Science、2007)、「もし〜なら」の計画と、あらかじめ選択肢を減らすプリコミットメントが役に立ちました。感情に名前をつける練習ツールとあわせてまとめました。

    12分で読めます
  40. ランニングの準備運動、静的ストレッチはけがを防げなかった?

    走る前は、脚を長くのばす静的ストレッチより、体を動かして温める準備運動のほうが効果的です。訓練兵1,538人の研究で運動前の静的ストレッチはけがを減らせませんでしたが(MSSE、2000)、動きのある準備運動プログラムはけがを約3分の1減らしました(BMJ、2008)。クールダウンはめまいを防ぐのに意味があります。いっしょにできる5分のルーティンとあわせてまとめました。

    10分で読めます
  41. 血糖測定器の使い方、同じ食べ物でも血糖の上がり方は人それぞれだった

    血糖測定器は、手を洗って乾かしたあと、指先の側面から血を一滴とって測ります。同じ食べ物でも血糖の反応は人によって大きく違ったため(Cell、2015)、自分の体の反応を測ってみることに意味があります。手を洗わないと果物の糖分でにせの高血糖が出ること(Diabetes Care、2011)、家庭用の測定値では診断しないことまでまとめました。

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  42. インスリン抵抗性のサイン、血糖が正常でも認知症リスクは上がる?

    糖尿病がない人でも、平均血糖が高いほど認知症のリスクが高くなっていました(NEJM、2013)。インスリン抵抗性は症状より数字で確かめるほうが正確で、中性脂肪/HDL比3.0以上と腹囲がよい手がかりになります(Annals of Internal Medicine、2003)。健診結果のどの数字を見ればよいかとあわせて、脳とインスリン抵抗性の関係を根拠のレベル別にまとめました。

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  43. 読書の集中力を高める方法、考えごとから戻る瞬間がトレーニング?

    読書の集中力は、考えごとをしない力より、考えごとに気づいて戻ってくる練習で育てられます。その瞬間に注意にかかわる脳のネットワークが活発になり(NeuroImage、2012)、通知を受け取るだけで集中が乱れ(JEP: HPP、2015)、情報を伝える文章は紙で読むほうがよく理解できました(54の研究のメタ分析、2018)。実際に使える10分読書タイマーとあわせてまとめました。

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  44. カーニボア食とは?満足した2千人、LDLは上がっていた

    カーニボア食は、肉・魚・卵のような動物性食品だけを食べる食事法です。2,029人を調べた研究ではほとんどの人が健康がよくなったと答えましたが、LDLコレステロールの平均は172mg/dLと高くなっていました(Current Developments in Nutrition、2021)。ケトン体がBDNFを増やすという結果がマウスの実験であることも含めて根拠のレベルを分けてまとめました。

    9分で読めます
  45. 三日坊主とaMCC、いやなことをすると意志力の脳は育つ?

    いやなことをするとaMCCが大きくなるという話は、まだ人の実験で確かめられていません。確かめられているのは、aMCCを電気で刺激すると「やりぬきたい気持ち」が生まれたという観察(Neuron、2013)と、2か月運動した24人が、ほかの分野の自己コントロールまでよくなったと自分で報告した小さな実験(BJHP、2006)です。aMCCとBDNFの話を根拠のレベル別に分け、三日坊主を越える計画を実際に立ててみます。

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  46. 偏平足のランニングシューズ、安定性シューズは必須?アーチ別の選び方

    偏平足だからといって、かならず安定性シューズをはく必要はありません。偏平足型にモーションコントロールシューズをはかせても、けがの率はふつうのシューズと同じくらいで(American Journal of Sports Medicine、2010)、研究者は何足かのなかでいちばん快適なシューズを選ぶよう提案しています(BJSM、2015)。自宅でアーチを確かめる方法と、偏平足・ハイアーチ・正常な足ごとに試しばきで確かめる点をまとめました。

    9分で読めます
  47. 初心者ランナーのひざの痛み、アーチに合うシューズで減る?

    足のアーチのタイプに合わせてランニングシューズを選んでも、けがは減りませんでした(American Journal of Sports Medicine、2010)。初心者ランナーのひざの痛みとより関係が深かったのは、走る距離を急に増やすことで(JOSPT、2014)、シューズは「はき心地」で選ぶほうが根拠に近いと言えます。研究で原因を整理し、セルフチェックで自分の習慣を確かめます。

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  48. ランニングは脳にいい?10分走るだけで集中力が上がった

    中強度で10分走るだけで気分と集中力が上がり、前頭前野が活発になったという実験(Scientific Reports、2021年)、運動が脳の肥料BDNFを増やすというメタ分析、1年の有酸素運動で海馬が大きくなった実験(PNAS、2011年)をもとに、ランニングが脳にいい理由と、初心者がけがをせずに始める3ステップをまとめました。

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  49. インスリンの役割は?下げても脂肪が減りにくかった理由

    インスリンは血液中のブドウ糖を細胞の中に入れて血糖値を保つホルモンです。ところが、炭水化物を減らしてインスリンを下げた人は、脂肪を減らした人より体脂肪が減りませんでした(Cell Metabolism、2015)。「インスリンが太らせる」という話を研究で見直し、食後の血糖値の急上昇をおさえる3ステップをグラフで確かめてみます。

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  50. 試験・面接の直前にダークチョコは効く?市販品は違った

    フラバノールの多いココアを飲んだあと、計算課題がうまくでき精神的な疲れも感じにくくなりました(2010年)。ただし市販のチョコレートは別です。試験・面接の直前に食べたいもの、避けたいものを研究で整理し3ステップで紹介します。

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  51. BDNFが多い食べ物は?食べ物にBDNFは含まれていなかった

    食べ物にBDNFは含まれていません。そのかわり、体がBDNFをつくるのを助ける食べ物と食べ方があります。ブロッコリーのスルフォラファン、ココア・ベリーのフラボノイド、オメガ3、地中海食、食事量の調整と間欠的断食まで、人の研究と動物の研究に分けて根拠の強さを整理し、今日からできる3ステップの食事を提案します。

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  52. BDNF不足の原因4つ、血液検査ではなぜわかりにくい?

    研究がBDNFを下げる原因として挙げるのは、慢性的なストレス、運動不足、甘くて脂っこい食事、加齢です。ただし血液中のBDNFはほとんどが血小板にたくわえられているため、血液検査の数値で脳のBDNFを知るのは困難です。Cell・PNAS・J Neurosciの研究で原因と根拠のレベルを分け、今日から変えられる3ステップとセルフチェックをまとめました。

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  53. BDNFとは?「多いほどよい」が半分しか正しくない理由

    BDNFは神経細胞が生き残り、つながるのを助けるタンパク質です。記憶・食欲・運動との関係と「多いほどよい」という誤解をCell・NEJM・PNASの研究で整理し、根拠のあるBDNFを増やす3ステップを紹介します。

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  54. 間欠的ファスティングの効果、やせた理由は「時間」より「量」?

    間欠的ファスティングの減量効果は、結局は食べる量が減ったことから生まれていました。同じカロリーなら8時間以内に食べても1年後の減量に差はなく(NEJM、2022)、時間だけを制限すると筋肉が減りました(JAMA Internal Medicine、2020)。連休明けに16:8の間欠的ファスティングを正しく始める方法を研究でまとめ、自分の食事時間を実際に決めてみます。

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  55. 目標をかなえる方法、「もうかなった」と想像するとかえって遠ざかる?

    よい結果だけを想像すると、かえってエネルギーが下がりました(JESP、2011年)。障害まで思い描くメンタル・コントラストと「もし〜なら〜する」という実行意図(94の研究のメタ分析)、進み具合の記録、運動が目標達成を助けた研究から目標をかなえる3つの方法を整理し、自分だけの計画を実際につくってみます。

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  56. 記憶はなぜ変わる?確信している記憶ほど間違っているかもしれない

    記憶は思い出すたびにつくり直されるからです。9・11の記憶が数か月で変わっても確信はそのままだった研究(Psychological Science、2003年)、質問の言葉ひとつで記憶が変わった実験からしくみを整理し、記録がなぜいちばん頼れる基準なのかを3ステップで紹介します。

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  57. 大人の脳も育つ?試験勉強3か月で医学生の海馬が大きくなった

    はい、脳は一生変わります。試験勉強をした医学生の海馬が大きくなった研究(J Neurosci、2006年)、60代で始めた運動で脳の容積が増えた研究、考え方を変える治療が脳の回路を変えた研究から整理し、大人の脳の新しい神経細胞をめぐる論争もあわせて取り上げます。

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  58. 脳の可塑性を高める方法は?たった2時間で海馬が変わった

    もっとも根拠がしっかりしているのは、体を動かすこと、十分に眠ること、新しい環境です。ランニングと新しい神経細胞(Nature Neuroscience、1999年)、睡眠とシナプス(Science、2014年)の研究で整理し、腸の健康がどこまで確かめられているかもあわせて見ていきます。

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  59. プラセボ効果は本当?偽の手術と本物の手術の結果は同じだった

    結論から言うと、プラセボ効果は実際にあります。偽の手術が本物の膝の手術と差がなかった実験(NEJM、2002年)と、期待が脳の痛みの反応を変えた研究からしくみを整理し、痛みと向き合う3ステップを紹介します。

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  60. 脳の可塑性とは?ジャグリング3か月で大人の脳が変わった

    大人の脳も変わります。ジャグリング3か月で灰白質が増えた実験(Nature、2004年)と、新しい技術を学んだ高齢者の記憶力がよくなった研究から脳の可塑性を整理し、新しい習慣で脳を変える3ステップを紹介します。

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  61. 新しいことを始めるとなぜ眠い?怠けのせいではなかった

    意志が弱いからではありません。脳は体重の2%ほどでエネルギーの20%を使うため(PNAS、2002年)、頭をたくさん使う作業を避けようとします。面倒くささと眠気の原因を研究で整理し、新しい習慣が根づく3ステップを紹介します。

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