前回は の地点で止まっていました。
4コマで先に見る
10分のランニングが脳を変えるまで
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1問題
うなだれた疲れた人と、ほとんど空になった電池 いつも頭がぼんやり…
体より先に疲れるのは脳であることが多いもの。記憶力と気分が一緒に沈みます。
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2しくみ
脳の上から芽が出てくる図 脳の肥料が登場!
ランニングは脳細胞を育ててつなぐBDNF、いわば「脳の肥料」を目覚めさせます。
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3実践
軽やかに走る人と動きの線 速く走らなくていい
スロージョギングのように話せるペースで、10分からはじめれば十分です。
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4変化
穏やかな波が流れる脳と、ゆっくり打つ心臓 頭がすっきり!
続けて走ると学習・記憶がはっきりし、ストレスにも揺れにくくなります。

「走らないと増えない脳内物質があるんです」
最近、公園や漢江(ハンガン)沿いを歩いていると、ランニングシューズで走る人がぐっと目につくようになりました。ただやせたい、体力をつけたいという目的だけではありません。最近は、ランニングが脳の健康、なかでもBDNFという物質と深くかかわっているという話が続いています。
BDNFは脳由来神経栄養因子の略で、脳細胞が育ち、たがいにつながるのを助けるタンパク質です。この物質が十分にあってこそ、記憶力や集中力、感情の調節がスムーズにおこなわれることが知られています。問題は、年をとるほど、体を動かさないほど、この値が自然に減っていくという点です。
韓国でお笑い芸人・ウェブトゥーン作家として知られるキアン84さんは、あるメディアのインタビューで、パニック障害に悩んでいたときにランニングをはじめてから、状態が大きくよくなったと語っています。走っていなかったら状況はもっと悪くなっていたかもしれない、という趣旨の話で、ランニングと脳の状態のつながりを示す例としてよく話題になっています。
「走っているあいだ、脳は自分をつくりなおす」

BDNF、いったい正体は何?
BDNFは、脳の中で肥料のような役割を果たしています。新しい脳細胞が育ち、もとからある細胞どうしがシナプスでつながる過程を助けるからです。このつながりが密になるほど学習能力や記憶力がよくなり、ストレスへの抵抗力も高まることが知られています。
反対にBDNFが足りなくなると、憂うつ感や無気力がひどくなり、年をとるにつれて記憶力の低下や認知機能の衰えにつながりうるという懸念も出ています。そのため脳の健康を気づかう人たちのあいだで、BDNFを自然に増やす方法に関心が集まっていますが、薬やサプリメントより先に挙げられる方法が、有酸素運動、なかでもランニングです。
なぜよりによってランニングがBDNFを目覚めさせるのか
ウォーキングやストレッチももちろん体によいのですが、心拍数をある程度上げる有酸素運動のほうがBDNFの分泌をより確実に刺激する、というのが一般的な見方です。走っているあいだに筋肉を使うことで血流が速くなり、その過程で脳へ送られる血液と酸素の量も一緒に増えるからです。この刺激がくり返されると、脳はみずから神経細胞をより丈夫にする方向に反応すると説明されています。
認知症の予防を扱ったさまざまな資料でも、ただ歩くより、心拍数を上げる運動をあわせておこなうほうが予防効果が大きくなるという話が出てきます。走りながらオーディオブックを聞いたり、コースを変えながら走ったりと、体と頭を一緒に使うやり方を加えると効果が倍増するという説明もあります。結局、続けることが核心だという点は、多くの資料で共通して強調されています。
速く走れなくても大丈夫、スロージョギング
ランニングがいいのはわかっていても、いざ走ろうとすると息があがり、ひざも心配だという人は多いでしょう。そんな人のための代わりの方法として最近注目されているのがスロージョギングです。となりの人と楽におしゃべりしたり、歌を口ずさんだりできるくらいの、歩くより少しだけ速いペースで走るやり方です。
実際、体力に自信のある客室乗務員でさえ、無理をしてハーフマラソンの準備をした結果、かえって体を痛めてあきらめたという例も紹介されています。最初から距離やスピードを欲ばるより、体が慣れる時間をあげることのほうがずっと大切だという話です。スロージョギングは、とくにランニングをはじめて走る人や、久しぶりにまた走ろうとする人にとって、負担のない出発点になってくれます。
ランニング、今日からこうはじめればOK
まずすべきことは、足に合ったランニングシューズを用意することです。ふだんはいている運動靴で無理に走ると、ひざや足首に負担がかかることがあるので、クッションのあるランニングシューズを一足そろえてからはじめるほうがよいでしょう。服装も厚すぎず、動きやすいもので十分です。
最初は5分から10分ほど、ウォーキングと軽いランニングを交互にすることからはじめるのがおすすめです。息が切れて話すのがつらいくらいならスピードを落とし、となりの人と楽に話せるくらいのペースを保つのがよいでしょう。こうしてウォーキングとランニングをまぜながら少しずつ走る時間をのばしていけば、体に無理なくランニングの習慣をつくれます。
頻度は週に2、3回ほどからはじめて、体が慣れていくのを見ながら増やしていくやり方が無難です。走る前後に軽くストレッチをするとけがのリスクを減らせますし、走ったあとは十分な水分補給も心がけましょう。なにより、最初から距離や記録を欲ばらず、とにかく外に出て体を動かす習慣そのものをつくることが、ランニングを長く続ける秘訣です。
ひとりより一緒に、ランニングが文化になった理由
最近は漢江沿いや大学街のまわりで、群れになって走るランニングクルーをよく見かけます。ひとりで走ると三日坊主で終わりやすいのですが、一緒に走る人がいると、約束を守るように自然と習慣がつくられるからです。こうしたランニングの人気は、ただの運動ブームをこえて、ひとつの生活文化として定着しつつあるようです。
最初からクルーに入る必要はありません。近くの公園を決めておき、決まった曜日、決まった時間に出かけるだけでも、十分に習慣はつくれます。脳のためでも体力のためでも、大切なのは大きな計画より、今日さっそく靴をはいて外に出てみる小さな実践だということを覚えておいてください。

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