新しい習慣が身につくまで、本当に21日でいいのか

「21日の法則」はどこから来たのか、そして実際の研究は何を示しているのでしょうか。習慣が自動化するまでにかかった期間は、人によって18日から254日までさまざまでした。数字よりも大切なことをまとめました。

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習慣づくり
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4コマで先に見る

21日ではなく、人それぞれ

  1. 1問題

    うなだれた疲れた人と、ほとんど空になった電池

    21日たったのに…

    「21日で習慣になる」と言われても、まだつらいことがあります。

  2. 2しくみ

    一段ずつ上る階段と、てっぺんの旗

    中央値は66日

    実際に測ると、自動化までの期間は18日から254日、中央値は66日でした。

  3. 3実践

    合図から行動、報酬へとつながる輪

    期間ではなく場面を

    期間の目標を捨て、「いつ・どこで」という場面に行動を結びつけます。

  4. 4変化

    穏やかな波が流れる脳と、ゆっくり打つ心臓

    1日抜けても大丈夫

    1日抜けても問題ありませんでした。大脳基底核がゆっくり自動化を担います。

「21日続ければ習慣になる」。自己啓発書やアプリの広告でよく見かけるフレーズです。3週間という期間は挑戦するのにちょうどよさそうに見えますが、21日目になってもまだランニングシューズを履きたくなければ、多くの人が「自分は意志が弱いんだ」と結論づけてしまいます。結論を出す前に、この数字がどこから来たのかを確かめてみる必要があります。

21日という数字の出どころ

この数字は、形成外科医だったマクスウェル・マルツが1960年に出版した『サイコ・サイバネティクス』から広まったと言われています。彼は、患者が手術後に変わった顔や状況に慣れるまでに、最低でも21日ほどかかるようだと観察しました。管理された実験の結果ではなく臨床経験から生まれた印象であり、「最低でも」という言葉は時とともに消えていきました。

実際に測ってみると:中央値66日、範囲は18〜254日

習慣が身につくまでの期間を実際に追跡した代表的な研究は、ロンドン大学の研究チームによる2010年の論文です(Lally ほか, 2010)。研究チームは参加者96人に、「昼食と一緒に水を1本飲む」「朝食後に15分走る」のように、毎日同じ場面で行う新しい行動をひとつずつ選んでもらい、12週間、その行動がどれくらい自動的に感じられるかを毎日記録してもらいました。

習慣の自動性の曲線:最初は急速に上がり、しだいにゆるやかになって、66日ごろにピークの95パーセントに達する 1日目 66日目(中央値) 84日目 自動性のピーク ピークの95%に到達 最初:急速に楽になる
研究が示した、習慣が身につく典型的な形を単純化した図。最初は一日ごとに楽になる幅が大きく、時間がたつほどゆるやかになります。実際の期間は、人や行動によって大きく異なりました。

結果は3つにまとめられます。

  • 曲線は直線ではありませんでした。 最初の数週間で自動性が急速に上がり、その後しだいにゆるやかになりながらピークに近づきました。
  • ピークの95%に達するまでの期間の中央値は66日でした。ただしこの数値は、データがモデルによく当てはまった参加者をもとにしたもので、範囲は18日から254日ととても広いものでした。水を飲むような単純な行動は早く、運動のように労力のいる行動は時間がかかりました。
  • 1日抜けても大きな問題にはなりませんでした。 たまに1回逃しても、習慣が身につく過程に意味のある影響はありませんでした。

脳では何が起きているのか

新しい行動を初めて行うときは、計画や判断を担う前頭前野が大きく関わります。だから疲れるし、面倒に感じるのです。同じ場面で同じ行動を繰り返すと、行動のコントロールはしだいに大脳基底核、とくに線条体を中心とした回路へと移っていきます。この回路は「この場面ではこの行動」という結びつきを保存し、場面の手がかりが現れると、あれこれ迷わずに行動を引き出してくれます。習慣が「自動的」に感じられるというのは、まさにこの状態のことです。

ここで大切な言葉は場面です。習慣は行動だけが保存されるのではなく、その行動が起こる場所、時刻、直前の行動とひとまとめにして保存されます。だからこそ、毎回違う時間に運動するよりも、「朝食のあと」のように決まった場面に結びつけた行動のほうが、早く自動化するのです。

今日の実践

  1. 期間の目標を捨てて、場面を決めましょう。 「21日間」ではなく、「朝コーヒーを淹れた直後」のように、毎日必ず起こることのあとに新しい行動を結びつけます。
  2. 「もし〜したら、〜する」という文で書きましょう。 「もし昼食を終えて席に戻ったら、水を1杯飲む」。このように具体的な実行計画を立てると、目標を立てただけのときより実践できる可能性が高まるという研究が数多くあります(Gollwitzer, 1999)。
  3. 最初はおかしいくらい小さく始めましょう。 自動性を積み上げるのは行動の大きさではなく、繰り返しの回数です。腕立て伏せ2回でもかまいません。
  4. 1日逃したら、次の日にすぐ戻りましょう。 1回の抜けで曲線は崩れません。崩すのは、「もう台無しだ」と思って何日も止まってしまうことです。
  5. 判断は2か月後に。 3週目でまだつらいなら、それは失敗ではなく、曲線の前半にいるだけです。

参考文献

  • Lally, P., van Jaarsveld, C. H. M., Potts, H. W. W., & Wardle, J. (2010). How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology, 40(6), 998–1009.
  • Gollwitzer, P. M. (1999). Implementation intentions: Strong effects of simple plans. American Psychologist, 54(7), 493–503.
  • Maltz, M. (1960). Psycho-Cybernetics. Prentice-Hall.

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