前回は の地点で止まっていました。
4コマで先に見る
aMCCを鍛える読書
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1問題
うなだれた疲れた人と、ほとんど空になった電池 また三日でやめた
三日坊主がくり返されると、意志が弱いと自分を責めてしまいます。
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2しくみ
考えにふける人の上で灯る電球 意志力の部位
前頭葉の内側にあるaMCC(前帯状皮質)が、意志力・集中力とつながっています。
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3実践
開いた本とペン 同じ場所、同じ時間
やりたくない気持ちをこえて、毎日同じ時間に読む読書がaMCCのトレーニングになります。
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4変化
一段ずつ上る階段と、てっぺんの旗 結局は続けること
数分でも続けることが回路を育てます。

本の一行が前頭葉のスイッチを入れる
最近、脳科学の分野でよく話題になる部位があります。aMCC、前帯状皮質(前中帯状皮質)と呼ばれるところです。前頭葉のすぐ内側にあるこの部位が、意志力や集中力と密接につながっているという話が広まり、関心がぐっと高まりました。
そして、このaMCCを鍛える方法として挙げられるのは、大がかりな脳トレプログラムではなく、意外にも読書です。毎日していることを少し変えるだけで脳が反応するというのですが、はじめて聞くと「本当に効果があるの?」と思うのは当然です。
この記事では、前頭葉とaMCCが具体的にどんな役割を果たしているのか、なぜ読書がそのトレーニング法として挙げられるのか、そして実際にどう読めば効果が出るのかまで、ひとつずつ解きほぐしていきます。三日坊主をくり返す理由を意志の弱さのせいだけにする前に、一度読んでみてほしい内容です。
前頭葉とaMCC、いったい何なのか
前頭葉は脳のいちばん前にある部位で、計画を立て、判断し、感情を調節する役割を担っています。かんたんに言えば、脳の「管制塔」のような場所と考えられます。この前頭葉がよく働いてこそ、集中力を保ったり衝動をがまんしたりするのも楽になります。
aMCCはこの前頭葉と接している部位で、つらいことややりたくないことに向き合ったとき、とくに活発になることが知られています。運動中にきつくてやめたくなる瞬間や、勉強中によそ見をしたくなる瞬間に、この部位がかかわっているという話がよく聞かれます。
そのためaMCCは、よく「意志力の筋肉」にたとえられます。筋肉と同じように、使うほど発達し、使わなければ衰えるという考え方です。問題は、この部位を鍛えるには楽なものばかり選んではだめで、少し手ごわい活動を根気よくくり返さなければならないという点です。

意志が弱いのではなく、aMCCをあまり使っていないだけかもしれません
ダイエットや勉強を数日でやめてしまうと、つい「自分は意志が弱い」と自分を責めてしまいます。でも脳科学的に見ると、これは性格や根性の問題というより、ふだんaMCCをどれだけ使ってきたかの違いである可能性があります。
かんたんな刺激にばかり慣れた脳は、少しでも不快になるとすぐに回避のシグナルを出します。反対に、ふだんから少し手ごわいことによく耐えてきた脳は、同じ状況でも踏んばる力が少し多く残っているというのです。だから「意志力を鍛える」という言葉は、じつは「aMCCをよく刺激する」という言葉とそれほど変わりません。
ここで大切なのは、極端につらいことでなくてもいいという点です。毎日くり返せる程度の、少しだけ不快な活動で十分で、そのなかでもいちばん取り組みやすいのが読書だとされる理由はここにあります。
なぜよりによって読書がaMCCトレーニングになるのか
動画やSNSは、短い刺激がすばやく切り替わり、脳がたいして努力しなくても見つづけられるようにつくられています。一方、本は自分で文を追い、文脈をつなぎ、次の内容を予測しながら読まなければなりません。この過程そのものが、前頭葉とaMCCを使いつづけさせるのです。
とくに、読んでいて集中が途切れた瞬間に、もう一度文へと注意を戻す、そのくり返しがポイントです。「ほかのことを考えてしまい、また本に戻ってくる」というこの過程そのものが、aMCCを使うトレーニングだと考えられます。おもしろくてすらすら読める本より、少し集中が必要な本のほうが、この効果は大きくあらわれます。
紙の本か電子書籍かよりも大切なのは、途切れずに読みつづける時間です。通知が鳴りつづける環境でとぎれとぎれに読むと、そのぶん脳がふたたび没頭した状態に戻るためにエネルギーを使わなければならないので、短くてもじゃまの入らない時間を確保することが鍵になります。

一日何分、どう読めば効果があるのか
最初から一日一時間読もうとすると、かえって数日で疲れてしまいます。脳トレーニングの基本は続けることなので、一日10分から15分ほどと短くはじめるのが現実的です。短くても毎日同じ時間にくり返すほうが効果的だといわれています。
読むジャンルにも気を配る必要があります。かんたんで軽く読める本ばかり選ぶと、脳がたいして努力しなくてすむので、トレーニングの効果が落ちることがあります。反対に、最初からむずかしすぎる専門書や分厚い古典を選ぶとすぐにあきらめてしまうので、少し集中が必要なくらいの本からはじめるのがよいでしょう。
スマートフォンを目に入らない場所に置いて読むことも、意外に大切です。通知が鳴るたびに視線が移ると、そのたびに集中した状態へ戻る過程を最初からくり返さなければならず、短い時間でも脳がずっと疲れてしまいます。

読書習慣を長く続けるための実践のコツ
習慣を長く続けるには、「読みきる」ことへのプレッシャーを手放すのが役に立ちます。一冊を最後まで読まなければというプレッシャーのかわりに、今日決めた時間さえ満たせばいい、というふうに基準を変えると、ずっと続けやすくなります。
読んだ内容を短くでもメモする習慣も、あわせて身につけるとよいでしょう。文を読み、理解し、自分なりに要約して書く過程まで含めると、前頭葉を使う範囲がさらに広がるからです。大げさな読書ノートでなくても、一、二行の感想を残すだけで十分です。
なにより、毎日同じ場所、同じ時間に座るだけで、脳は「さあ集中する時間だ」と認識するようになります。場所と時間を固定するだけで、習慣が身につくまでにかかる時間がぐっと短くなることも、あわせて覚えておくとよいでしょう。

結局、大切なのは続けること
前頭葉やaMCCといった用語はなじみにくく感じるかもしれませんが、結局伝えたい核心はシンプルです。少し不快なことを毎日少しずつくり返せば、脳もそれに合わせて変わる、ということです。そしてその出発点として、読書ほど負担が少なく取り組みやすい方法はなかなかありません。
今日いきなり分厚い本を読みきるという目標より、たった10分だけ、じゃまされずに読んでみることからはじめてみてはどうでしょうか。その小さなくり返しが積み重なれば、思ったより早く集中力の変化を実感できるかもしれません。
前頭葉とaMCCを鍛える読書習慣、あとでまた読みたい人は保存しておいてください。
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